2017年6月15日木曜日

炉端の集い(酒場のヒーロー予選)開催のすすめ

そろそろ夏季シーズン酒場のヒーロー予選の案内が出そうな気がする※1ので、炉端の集い開催にあたってのポイントみたいなものを共有します。
少しでも炉端の集いを開催したい方の参考になればと。

※1:日本語以外の言語では既に夏季酒場のヒーロー予選の告知が出ています。該当の言語(例えばNAの窓口なら英語)で申請すれば承認され、日本国内で酒場のヒーロー予選を開催することが可能です。


1.ターゲットを決めよう

HSプレイヤーには競技志向の人だったりカジュアル層だったりアリーナ専門だったりと様々な層がいます。これら多種多様な層をコミュニティレベルの炉端の集いで全て満足させるのは正直厳しいです。また、ターゲットを絞らないと参加者が「思っていた内容と違った」ということになり兼ねません。これは主催者、参加者共に不幸なことです。よって、まずはターゲットを決め、どんな炉端の集いを開催したいのか考えましょう。

2.企画を決めよう

※会場の規模から企画を決めるのもアリです。その場合は「3.会場を決めよう」を先にご覧下さい。

ターゲットが決まったら次は企画を決めましょう。ターゲットとする層が好みそうな企画を立案するのがベストです。例えばカジュアル層を対象にした炉端の集いであれば、なるべく資産差が出ないような企画にする、といった感じです。

私の経験上、この企画が最も頭を悩ませる部分です。しかし、それほど心配する必要はありません。同じゲームをプレイする人同士が集まればそれだけで楽しいものです。極端な話、集まってダベるだけでも楽しいです。特に炉端の集いがそれほど開催されていない地方ではその傾向が強いと感じています。ですので斬新な企画は"あればより良いがなくてもいい"程度に考えておくのが良いと思います。

とは言うものの、「炉端の集いを開催するなら何か企画が欲しい」という方もいらっしゃるでしょう。そこで、私が関わってきた炉端の集いで実施した(あるいは実施しようとした)企画と簡単な説明を以下に記載します。

酒場のヒーロー予選
読んで字のごとく酒場のヒーロー予選です。酒場のヒーロー予選はその性質上、開催そのものが望まれています。よって、これ一つだけでも十分な企画となるでしょう。

酒場のヒーロー予選観戦会

これまで開催した酒場のヒーロー予選のアンケートを見ると「他の人の対戦が見たい」という声が多くありました。PCやプロジェクタ等、機材面のハードルは若干高いですが、需要な中々あるようです。

バーベキュー
何の変哲もないバーベキューです。HSプレイヤー同士が集まるだけでも楽しいのに、そこにお肉が加わればもはや無敵です。天候や食材の用意、会場の手配等、正直面倒くさい点が多いですが大いに盛り上がりました。バーベキュー慣れ(?)してる方にはおすすめです。

なんでもカジュアルトーナメント
例えば「ハンター限定」や「奇数コスト限定」等、その場でルールを考えてもらい、そのルールでプレイしたい人を募って行うトーナメントです。機材も何もいらないためお手軽です。実施にあたっては予め運営側でいくつかルールを考えておくと場が円滑に回ります。

ハースストーンかるた
wing(@wing_eria)さん考案のゲームです。予め各種カードが印刷された取り札を用意しておき、取り札の特徴(スタッツや効果、ボイス等)を読み上げて行うかるたです。取り札作成にあたってはBlizzardPressCenterから各種カードの画像データがDLできます。実施する際は一言wingさんにお断りを入れましょう。

講習会
講習会です。参加者同士が話し合うディスカッション形式と、講師が話す講義形式の2種類があります。どちらの場合でもディスカッションを仕切る人、講師役の人が必要なのでスタッフの人数が必要ですが需要はあるようです。講義形式での講習会を行ったハースストーン初心者の集いin東京#2では満員御礼54名の方にご来場頂きました。

クイズ大会
PowerPoint等で問題を作って参加者に答えてもらうクイズ大会です。実施にあたってはチーム対抗戦にした方が個人戦よりも参加者同士のコミュニケーションが活発化して楽しんで頂けると思います。

コイン対戦会
公式炉端の集い等でよく実施されるイベントです。参加者に一定数のコイン(あるいはコインに相当するもの)を渡し、そのコインを掛けて対戦して頂きます。実施にあたっては対戦のマッチングを運営で行うと円滑に進行することができます。
また、コイン対戦会に限ったことではありませんが、参加者のランク帯がレジェンド~ランク25まで混在するような炉端の集いでは出来る限り同じランク帯同士で対戦するようにしてあげるとより良いと思います。

ガンスリング
いわゆる勝ち抜き戦です。最多勝利数や最多連勝数を競って対戦します。マッチングが楽なので個人的にはコイン対戦会よりもこちらが好きです。

レジェンダリーアリーナ
いつかはやりたいけどまだ出来ていない企画です。予め運営側で用意したレジェンドだらけのデッキを使って対戦して頂きます。複数のアカウントと膨大なカード資産が必要なのでハードルは非常に高いです。

紅白戦

紅白2チームに分かれての対戦会です。他参加者との連帯感が楽しさのキモですが、人数が多い場合はチーム対抗戦の方が盛り上がるかと思います。

チーム対抗戦

3人~5人程度のチームを複数作っての対戦会です。紅白戦に比べてマッチングの手間は増えますが、少人数チームによる連帯感が非常に楽しいです。同チーム内でのヒーロー被り禁止といったルールを加えるのも良いでしょう。

3.会場を決めよう


会場選びには大きく分けて公共施設を借りる、民間の施設を借りる、飲食店等で開催する、の3つがあります。

公共施設を借りるのは安価かつお手軽なのでおすすめです。地域差はありますが、公民館等の部屋を民間施設を借りるより遥かに安く利用できます。アクセスが良い場所でも安く借りられるのがポイントです。施設によりますがプロジェクタ等の機材が安価に借りられることも利点です。難点は他の利用希望者がいた場合に抽選になったりする場合があること、施設によっては予約が込み合ってること、HSっぽい雰囲気のある会場がないことの3つでしょうか。

民間の施設は公共施設に比べて費用が数倍~数十倍ほど掛かることが多いです。ですが、公共施設にはない会場の雰囲気といった利点もありますので、資金に余裕がある場合は視野に入れてもいいと思います。ゲームバーや、もう無くなりましたがAKIBAトイ&ラウンジのようなところであれば安価かつHS以外の遊べるものがあり、より楽しい炉端の集いを開催できることでしょう。

飲食店等で開催する場合は飲み会のような形で開催する方法とお店と交渉して"場所代無料、注文はキャッシュオン"といった形で開催する方法の二通りがあります。前者の場合は急なキャンセル等のリスクはありますが、お店との交渉等が不要ですのでお手軽です。後者の場合はお店との交渉やそもそものお店探しといった手間がかかりますが、急なキャンセルや参加者が想定以上に少なかった時でも金銭的リスクが発生しないという利点があります。

4.参加費を決めよう

炉端の集い開催にあたっては大抵の場合、会場費等の費用が掛かります。日本国内で実施される炉端の集いではほとんどの場合、費用を参加者からの参加費で賄っています。費用と想定される来場者数から赤字が出ないような参加費を設定しましょう。

"赤字が出ないように"という点は非常に大事で、例え善意であっても赤字を出してはなりません。炉端の集いは基本的にコミュニティの有志が開催するものですが、開催にあたっての労力に加えて費用まで自腹で出して開催しよう、という方はごくごく少数です。しかし、赤字で素晴らしい炉端の集いを開催すると参加者の一部にはそれがスタンダードとなってしまいます。その結果、赤字を出さない運営をしている炉端の集いは集客力は弱まり、やがて運営者はモチベーションが続かず一人また一人と開催をやめ、炉端の集いそのものが縮小していくことでしょう。つまり、赤字開催は炉端の集い全体への悪影響となり、他の炉端の集い開催者、ひいては炉端の集い参加者の不利益に繋がります。この点をよくご理解頂き、決して赤字開催はされないようお願いします。

5.開催を告知しよう

内容と場所が決まったらいよいよ告知です。告知の方法は様々ですが、私は主にATNDというツールを利用しています。このツールの利点はTwitter等のアカウントからすぐにアカウントが作成できること、キャンセルがあった場合に自動的に補欠者が繰り上がることです。同様のツールには他にTwiPla等があります。告知にあたって告知ページを作成することは絶対必要というわけではありませんが、参加者の管理や連絡がお手軽にできますので特に理由がなければ上記ツールの使用をおすすめします。

続いてHS公式サイトの炉端の集いページにご自身のイベントを登録しましょう。作成方法は同ページ内の"イベントを作成する"ボタンをクリックし、表示されたイベント作成ページのフォームに入力するだけです。作成したイベントは一旦Blizzardによって審査され、数日後に炉端の集いページに表示されるようになります。後述する酒場のヒーロー予選を実施するにあたってはこのイベントの作成が必須となりますので必ず行いましょう。酒場のヒーロー予選でなくてもこのページを見てご来場される方がいつも一定数存在しますので、イベントの作成を強くおすすめします。

これらの手順が済んだらSNS等で宣伝しましょう。私の関わってきた炉端の集いでは毎回最低でも8割程度の参加者がTwitterで告知を見てご来場されています。より多くの方に告知したい場合はフォロワー数の多い方にリツイート等をお願いするのも手です。「そんなのちょっと気が引けちゃうよ…」という方は私のTwitterにご連絡頂ければご協力させて頂くことも可能です。

6.酒場のヒーロー予選に申請しよう

ご自身の炉端の集いを酒場のヒーロー予選として開催するにはBlizzardへの申請が必要です。現在開催されている夏季の日本語告知はまだされておりませんので、参考に春季の告知をご参照下さい。申請そのものは炉端の集いページでイベントを登録の上、Blizzardへメールするだけなのでそれほど手間はかかりません。

基本的に開催条件は上記のリンク先をご覧頂きたいのですが、重要な注意点として「「酒場のヒーロー予選」の出場者は、無料で入場・大会に参加できること」があげられます。これはHCTで定められているルールによるものです。ポイントとしては、このルールは"酒場のヒーロー予選というイベントのみに適用されるもの"ということです。つまり、炉端の集い内で実施される酒場のヒーロー予選のみに参加される人は無料である必要がありますが、酒場のヒーロー予選以外の企画に参加される方からは酒場のヒーロー予選参加者であっても参加費を徴収することが可能です。この点をよくご理解頂き、規約違反にならないように、そして炉端の集い開催にあたって赤字が出ないよう注意しましょう。

7.最後に

今回は炉端の集い開催にあたってのノウハウ、つまりは開催当日までにやっておくことのポイントを書きました。実のところ当日運営するにあたってのポイントなんかもあるのですが、記事が長くなってしまったので今回はここまでとさせて頂きます。続きはまたの機会ということで。

炉端の集いは主催者それぞれに特色があり、本記事が絶対に正しいというわけではありません。しかし、一応炉端の集い主催者である私が考えていることを文章化することで、少しでも「これから炉端の集いを開催してみたい!」という方への助けになれば嬉しいです。本記事は割りとザックリした内容しか書いていないため、不明点等ございましたら私のTwitterまでお気軽にご相談下さい。共に日本の炉端の集いをより盛り上げていきましょう。

以上

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